巨大なバラフエダイLutjanus boharの剥製です。全長65センチの迫力満点の素晴らしい剥製になります。バラフエダイはフエダイ科の中で1メートルにも達する大型種で、沿岸の岩礁・サンゴ礁域に生息し、礁湖や外礁域を好みます。
肉食で鋭い歯と頑丈な顎を持ち、小魚・甲殻類・頭足類など小動物を幅広く捕食、食用になりますが、大型個体ではシガテラ中毒を起こすことで有名です。魚が自然状態で持っている毒を「魚毒」と呼びます。
シガテラ毒はフグ毒と並んで重要で、中毒を引き起こすと、下痢、嘔吐、関節痛、倦怠感の他、温度感覚の異常などの症状が出ます。死亡率は1パーセント以下と低いが、後遺症は長く続き、特効薬は存在しません。
シガテラ毒にはいくつかの毒が関与します。どうやら主要となるのはシガトキシンです。シガトキシンは脂溶性の毒で、その構造はまだ解明されておりません。中毒はたいへん地域性が強く、近接地域の同一種でも毒を持つものと持たないものがあり、餌起源が疑われていました。
研究によるとシガトキシンはプランクトン由来のようで、シガトキシンあるいは類似物質を出すプランクトンを魚が捕食し、食物網で生物濃縮され、それを人が食べることによって症状が引き起こされるようです。バラフエダイの分布域に入る南西諸島では、シガテラ中毒を起こす魚の一つとして、本種への注意が呼びかけられています。
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