昭和初期の旧海軍士官の儀礼用・指揮用サーベル型軍刀、長剣模造刀です。経年約90年のアンティークな品物です。紫の刀袋付。
ネットには刀剣に関する情報が数多く見られますが、それらの情報から、出品のサーベル型軍刀はざっと次の【】ようなものです。
【長剣の刀身は刃のない模造刀ですが、その「拵え(こしらえ、外装のこと)」の装飾などから、下士官へ与えられた官給品のような量産工業刀ではなく、階級の高い士官が個人の誂(あつら)えで、正装時の儀礼刀、演習時や平時の常勤時の指揮刀として佩用(はいよう)していた軍刀。
なお、佩用は帯などに吊るして携帯すること、帯刀は帯などに挿して携帯することのようです。】
装飾が施された長剣の「拵え」は以下の【】ような特徴を持つもので、その全ての金具には桜花がデザインされています。
また、旧海軍では、軍刀は個人の誂えのため、装飾は士官の諸事情(経済的など)や好みなどによって異なっていたようです。
【刀剣を握る「柄(つか)」は、白鮫皮巻きで金線が巻かれたもの。金線の断線、ほつれなどは見られません。
「柄」には握る手を護るためにナックルガード「護拳(ごけん)」と呼ばれる半円状の「鍔(つば)」が付けられているのが特徴。「護拳」の材質は黄銅(真鍮)に金メッキでしょうか。
刀身を収める「鞘(さや)」は、下地は「柄」の芯と同じ「朴の木(ほおのき)」が使われることが多く、この下地に黒革漆塗りに仕上げられたもの。】
長剣の刀身には美しい波紋が見られますが、経年のためくもりや汚れは否めません。また「拵え」の装飾のくすみや汚れも同様ですが、刀身、装飾に目立つようなキズや凹み、変形などはありません。画像19、20に見られるように刀身に錆が点在し、「鞘」の一部に革地の露出が若干見られますが、約90年の経年のわりには汚れや傷みは比較的少なく良好な状態と言えます。
大きさや重さはおよそ次の通りです。
拵え:全長84.5cm、柄12.5cm
刀身:刀長63cm、身幅18mm、反り10mm
重さ:全体550g、鞘200g
昭和初期の、経年約90年の旧海軍士官が誂えて佩用していた儀礼用・指揮用サーベル型軍刀、長剣模造刀です。「拵え」の装飾金具の桜花は印象的で、汚れや傷みが比較的少なく良好な状態のアンティーク品です。コレクションに、観賞用にしていただければ幸です。
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