共箱入りの時代物の青銅製香炉ですが、光沢のある美しい胴は伝統的は技法により仕上げられた「斑紫銅」のようです。また、蓋には「寿」の旧字体である「壽」が透かし彫りされています。
なお、黄色の布は共布ではないと思います。
共箱の蓋には、右上に「青銅? 香炉」、左下に「祥堂」と朱文落款が見られます。銅器であり「青」の下の(二文字とも思える)崩し字を「銅」と判読したのですが、どうでしょうか。
また、朱文落款は作家の印だと思われ、左ニ文字は「祥堂」、右二文字は判読できません。「祥堂」に該当の金工師、鋳物師は見つからず、作家は特定できていません。
ネット上で酷似は、説明(情報)の少ない数例のみでした。希少な時代物かも分かりません。
ちなみに「斑紫銅」とは、銅器の表面に不規則な形をした紫色の模様を浮かび上がらせる技法で、斑紫銅の模様は一つとして同じ形は現れず、炎の中で銅が溶け出す寸前のところで取り出し、再び磨き上げることで独特の模様を作り出す、長い歴史と職人の技術が詰まった伝統的技法と解説。
骨董時代物として入手した保管品ですが、香炉内側は緑青と灰汚れ、蓋表裏の汚れ、特に裏の黒色すす汚れ?など使用跡が見られます。表面の汚れも否めませんが、傷跡や凹みなどはほぼなく、光沢ある「斑紫銅」の美しさは比較的良く残されていると思います。
大きさ(㌢)重さはおよそ次の通りです。
高さ(蓋有)7、(蓋無)5.5/
口径6.5、胴径11、三足間5.8/
重さ465㌘/
共箱13.5×13.5×13.5/
時代物の青銅製三足香炉です。表面に目立つキズや凹みなどの損傷はほとんど見られず、伝統的技法「斑紫銅」の美しさが残されています。香炉に置物に十分に活用していただけると思います。
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