高さ約21.5cmの細密装飾された銅合金の花瓶です。青銅だと思います。部分的に色の差はありますが全体に見られる緑青(ろくしょう)から、相応の経年だと考えられます。
ネットには『緑青は、銅に発生するサビで、鉄のサビなどと違い内部を腐食せず、銅の表面に膜となり腐食を防ぐ効果がある、人体に対して毒性はなく安全が確認されている、また、緑青には経年変化の魅力を生み出す色の美しさがあり、銅像や寺社仏閣の銅の屋根が緑青色に変化した姿は時間の流れを感じさせる』などの説明が。
花瓶の表面全体にアラベスク模様(アラビア模様)でしょうか、一定の形で反復する植物の茎(くき)や蔓(つる)と葉や花などを組み合わせた模様や模様内外の細線や点が細密に装飾されています。
胴には、一対の鳥が二面に(画像写真3、5枚目)、他の一面には長い尾の動物が(画像写真2枚目)、残り一面には、覆っていた緑青を落として現れたさらに大きな動物が(画像写真4枚目)、太く長い尾、短い耳、大きな方は鼻や口元からヒョウのように見え、小さな方はキツネザル?のようにも見えます。なお、装飾が彫金なのか鋳造なのかなど製造技法は分かりません。
花瓶の口縁、高台には透かし彫りの装飾が。装飾の細いブリッジの一部に目立ちませんが経年による破断が見られます。
製作の時期は全く分かりませんが、地域はアラベスク模様から中東地域、例えばトルコやペルシャ(現在のイラン)ではないかと。トルコ、イランは先日の大地震の被災国ですが、中東の大国に挙げられる文化・歴史ある国です。出品の花瓶はそのような文化・歴史のある国(地域)で作られた、緑青の広がりに相応した経年の花瓶ではないかと思います。
外見上、緑青や他の汚れ、小さなキズなどの傷みは否めませんが、目立つ欠損、凹み、変形などはほとんど見られません。テーブルに置いた時のガタツキもありません。
概寸(cm)は、高さ21.5、口径5、首径2.5、胴径10.5、底径6.5。厚みが薄く重さは約290gと軽量です。
アラベスク模様と鳥や四足動物で装飾された、緑青色の広がりが経年を彷彿させるアンティークな青銅の花瓶です。コレクションに、飾り置物としてもいいのではないでしょうか。
なお、水漏れのないことは確認していますが、経年による内部の劣化状況は分かりませんので、この点をご理解の上で花瓶としてお使い下さい。
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