古伊万里染付け大鉢です。絵付は手書きで、見込みには蓮池に降り茎に止まる「翡翠(カワセミ)」が描かれています。描かれた絵には力強さ、特に蓮には生命力が感じられます。
厚手の大鉢で、厚みのある口縁は外側に少し広げられています。外側の茶で区分された部分には数種の模様が描かれていますが、何の模様かは分かりません。高台の内側は、中央部を除き無釉で胎土が現れています。
ちなみに、カワセミは漢字で「翡翠」、翡はオスの、翠はメスのカワセミを表しオスとメスで「翡翠」、美しい色の羽を持つカワセミの漢字を宝石のヒスイにあてたとされています。
「蓮」と「翡翠(カワセミ)」の組合せは古来のデザインのようですが、古伊万里では余り見られません。
大きさは約、口縁外径22.2cm、高さ9.8cm、深さ7.9cm、高台高さ0.7cm、高台外径12.3cm、重さは約1120gです。
飾り棚に置かれていたものです。見込みには使用によると思われる髪の毛より細い線キズが見られますが、それ以外に使用での汚れやキズ、欠けやヒビ、割れなどはほとんど見られず良好な状態です。
当時の磁器では製造由来の傷(ホツ、虫食い、釉ハゲ、色ハゲなど)が生じるとされています。出品の古伊万里にも見られますが、見込みよりも外側に見られます。高台周りなどに見られるうっすらとした汚れは水洗いでは落ちず、焼成時のほこり等が表面に溶け込んだ跡だと思われます。
古伊万里は江戸時代から明治初期に肥前(佐賀・長崎県)で焼かれた磁器で、それ以降の伊万里焼とは区別されているようです。
出品の大鉢は今から150年以上前に作られた古伊万里のアンティーク品ですが、「蓮と翡翠」は古伊万里では余り見られない絵柄ではないでしょうか。迫力ある絵付けです。食卓で使うには多少大き過ぎるかも分かりませんが、最適な用途に使っていただければ幸です。アンティーク品であり洗浄などのお手入れの上お使い下さい。
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